2004年 09月 26日
神戸の産婦人科医が |
産科学会を提訴しましたが、出生前診断についてどう考えますか?
▼answer
一般の周産期医療で、受胎子の障害や性別等を「知る権利」は、「知ることを禁じる権力」よりは優先されて良いと思いますが、それは社会状況によりけりでしょう。法理と倫理が重なり合わない部分の判断をだれがするのか、未だ答えが出ていません。
私個人の答えは、条件次第で認められて良いのではないか?という程度の弱気な肯定論です。たとえ禁止しても、闇で行なわれるだけでしょう。
神戸の大谷医師のかかわった患者は、男女産み分けを目的としていたそうですから、不妊治療とは異質です。
今までの医療ではあきらめるしかなかった不妊の患者が、実子を持てるような技術は、当事者にとっては福音で、その希望、権利はできるだけ認められるべきだと思います。
その技術の応用で、凍結精子・卵子・受精卵を使って死後受精とか、死後出産・・・となると、「歯止めを…」の声が出てきそうですが、なぜいけないのだ?と問われると、歯止めを論破できる理屈がなかなか立てられませんね。
話は脱線して、病気ではなく自己都合のオーダーメイド医療が即いけないかといえば、美容整形やスポーツ医学、メディカルエステその他の身体改造も、次々に問題になりますね(たとえば自費で受けた豊胸手術が失敗して、その後の医療処置に保険が使われるのはいかがなもんでしょう?)。
ある国で禁止されても、安い費用で渡航できる今なら、抜け道はいくらでもあります。
代理母も、優秀な精子・卵子・受精卵の売買も、金を払えばできる国があって、一国の法律で対処しきれません。
医療に限らず、薬学や核開発など、技術者は野心を持つものです。野心があるから科学技術は発展するわけですから。
「市場による監視」「法規制」「宗教倫理」は、副作用・副産物のリスクも大きいので、専門家自身の職業倫理による歯止めに期待したいところですが・・・。
▼answer
一般の周産期医療で、受胎子の障害や性別等を「知る権利」は、「知ることを禁じる権力」よりは優先されて良いと思いますが、それは社会状況によりけりでしょう。法理と倫理が重なり合わない部分の判断をだれがするのか、未だ答えが出ていません。
私個人の答えは、条件次第で認められて良いのではないか?という程度の弱気な肯定論です。たとえ禁止しても、闇で行なわれるだけでしょう。
神戸の大谷医師のかかわった患者は、男女産み分けを目的としていたそうですから、不妊治療とは異質です。
今までの医療ではあきらめるしかなかった不妊の患者が、実子を持てるような技術は、当事者にとっては福音で、その希望、権利はできるだけ認められるべきだと思います。
その技術の応用で、凍結精子・卵子・受精卵を使って死後受精とか、死後出産・・・となると、「歯止めを…」の声が出てきそうですが、なぜいけないのだ?と問われると、歯止めを論破できる理屈がなかなか立てられませんね。
話は脱線して、病気ではなく自己都合のオーダーメイド医療が即いけないかといえば、美容整形やスポーツ医学、メディカルエステその他の身体改造も、次々に問題になりますね(たとえば自費で受けた豊胸手術が失敗して、その後の医療処置に保険が使われるのはいかがなもんでしょう?)。
ある国で禁止されても、安い費用で渡航できる今なら、抜け道はいくらでもあります。
代理母も、優秀な精子・卵子・受精卵の売買も、金を払えばできる国があって、一国の法律で対処しきれません。
医療に限らず、薬学や核開発など、技術者は野心を持つものです。野心があるから科学技術は発展するわけですから。
「市場による監視」「法規制」「宗教倫理」は、副作用・副産物のリスクも大きいので、専門家自身の職業倫理による歯止めに期待したいところですが・・・。
by edsw
| 2004-09-26 04:01
| '04年PSWの卵に答える
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